超流通 (Superdistribution) とは
今現在、デジタル情報製品(ゲームのCDとか、音楽のCDとか)の対価は、
入手する時に支払われています。
これはつまり、「所有する」事に対して対価を支払っている、ということです。
この状態で、(著作権者の知らないところで)コピーが行なわれると、
そのコピーされた分の料金が著作権者に支払われません。
これが俗に「不正コピー」といわれる問題です。
ここで、
コピーがいいとか悪いとか、よく盛り上がるのですが、
そんなことは実は問題ではなく、
「明らかに著作権者に渡るべきだった正当な代金が得られなかった」
という点が一番の問題なのです。
これに対して、「利用する」ことに対価を支払うことによって、
入手に対してお金を払うのを止めてしまおう、
というのが超流通の考え方です。
でも、「利用に応じて料金を支払う」というのは、珍しくないよね?
はい、そのとおりです。
現在では、
VOD(Video On Demand)サービスなど、
オンラインでのコンテンツ従量販売システムがいくつかあります。
超流通とどこが違うのでしょう?
超流通では、従量制による可能性をとことんまで押し進めました。つまり....
- 入手が無料ということは、入手経路はどこでもよいのでは?
- 入手経路がどこでも良いということは、コピーでも良いってことでは?
- コピーでも良いってことは、入手経路をオンラインに限定しなくてもよいってことよね?
つまり、現在の従量制システムは、
コピーが自由にできないからこそ、
オンラインでなければならないのです。
超流通は違います。
コンテンツの入手はまったく自由で、
利用時にオンラインで監視されることもないのです。
ま、使用状況のデータを転送する時くらいは
オンラインにしたりしますけど。
つまり、コピーをガンガンしても著作権者はまったく困らない、のです。
使ってもらえば使ってもらえるほど、
売上が上がると考えれば、むしろ歓迎される行為になります。
で、そんな超流通の世界になると:
- 不正コピーの問題が原理的に消滅する。
(コピーすると著作権者に喜ばれるちゃう)
- ソフト(コンテンツ)の値段が安くなる。
(不正コピー分の上乗せが無くなったり、流通にかかる費用が減るから)
- ハズレのCDをつかまされても損をした気分にならない。
(聞かなければ課金されないから)
- 中古屋・流通業者はちょっと大変かも。
(純電子的に流通できるから、中古って何?って世界になる)
超流通に必要な機構の設計をしたり、
実際にシステムの試作をしたりしています。